機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者

終電もない時間に川崎まで見に行った感想を。


ストーリーは第1話「黒いガンダム」から第13話「アムロ再び」までの再構成で、大筋においてはTVシリーズと同じ。終盤のギャプランアッシマーが登場する辺りからは全て新作映像なので、TVシリーズの映像を使い回しているからストーリーが同じになる訳ではないと思われる。


13話分の内容を1時間半に詰め込んでいるので、第6話〜第8話、第12話はほぼ全部カットされ、第3話〜第5話が1つのエピソードに再構成することで時間を短縮している。そのため、息をつく暇もない急展開で、さらに作品中での舞台背景の説明が少ないので前知識の無い人は何が何だか分からないのではないかと思う。パンフレットのストーリー紹介はその辺の舞台背景の詳細な説明があり、ガンダム強奪までのストーリーしか紹介されていないので、映画を見る前に一読することをお勧めする。


ストーリーはTVシリーズと大筋同じだが、新作映像を挿入したり、TVシリーズの映像を使い回したシーンでも台詞回しを変更することでキャラクターの性格や考えなどを微妙に変更している。カミーユは最初の頃こそTVシリーズと同じ性格で「そこのMP」なんてやっていたけど、それ以降は切れた言動は抑えられているし、カツがアムロをたきつけるシーンでも台詞回しを変更してアムロがくすぶっている理由が微妙に変わっている。個人的には1番興味深かったのはライラのジェリドに対する評価が180度変わった事だったりする。


TVシリーズの映像に処理を施して新作映像との違和感を無くす手法だが、予想通り違和感ありすぎ。顔のデザインが別物と言えるほど変わっているので、1つのシーンでTVシリーズの映像と新作映像が混在していると特に違和感を感じる。また、TVシリーズの映像を使いまわしながら台詞が全く別のものに差し替えられたシーンがあり、表情と台詞とのギャップにも違和感を感じた。公開前は何か意図があるのかと思っていたのだが、単なる省力化に過ぎなかったようで残念。
ただし、省力化の恩恵なのか、新作映像は絵、動き共に総じて良くできているように見える。ラストのギャプランアッシマーとの戦闘シーンは非常に格好良い。


で、面白かったかどうかというと、上に挙げたマイナス点に加え、息をつく暇もない急展開さ原因であまり楽しめなかった。出来によってはもう一度劇場の大スクリーンで見ようかとも思っていたが、誰かの付き合いでもなければそうはならないだろう。


最後に。第2弾で最重要キャラであるフォウの声優が変更になるのは、予告映像を見る限りでは問題ないとは思うものの、残念である。